ストーカー被害の相談件数と探偵業界の現状は?
警察庁「令和5年におけるストーカー事案等への対応状況について」によると、全国の警察が把握したストーカー事案の相談等件数は 19,843件(令和5年/前年比+721件) で、年間2万件前後の高い水準で推移しています。禁止命令等の件数も増加傾向にあり、早期の証拠確保と関係機関との連携が課題です。
探偵業界については、探偵業を営む届出業者数は近年おおむね5,000〜7,000件台で推移しているとされます。ただし最新年次の正確な件数は集計・公表時期により変動するため、依頼時には警察庁・各都道府県公安委員会の公表資料を確認することをおすすめします。
市場規模については、総務省「平成28年(2016年)経済センサス‐活動調査」の産業分類「探偵業」に関する統計が参照されることが多く、業界全体の売上規模はおおむね数百億円規模、そのうち個人からの依頼が一定割合を占めると整理されています。これらは公表年次が古く、直近の実態とは差がある点に留意してください(出典・年次は本記事末尾を参照)。
2025〜2026年のトレンド:紛失防止タグ悪用への対応
近年の大きな変化として、本来は忘れ物防止に使われる「紛失防止タグ(AirTag等)」や小型GPSを、被害者の車体や所持品に無断で忍ばせて追跡するデジタルストーカーの相談が増えています。「なぜか行く先々に相手が現れる」という相談から機器が発見されるケースもあり、盗聴器発見調査と併せた機器捜索の需要が高まっています。
法制度面では、令和7年(2025年)12月30日施行の改正ストーカー規制法により、位置情報を無断で取得する行為の類型が拡充され、紛失防止タグを悪用した位置情報の取得も規制対象として明確化されました。
さらに令和8年(2026年)3月10日施行の措置として、警察本部長等が、被害者情報を提供するおそれのある者に対し、相手がストーカーのおそれがある旨を通知したうえで情報を提供しないよう求めることができる制度が設けられます。これはストーカー規制法に基づく措置であり、探偵業者だけを対象に「情報提供を厳格化」するものではない点に注意が必要です。
なお、探偵業者が調査で知り得た情報を第三者に漏らさない守秘義務や、契約前に依頼目的の確認・重要事項説明を行う義務は、いずれも従来から探偵業法(第6条・第8条等)で定められている既存の実務です。契約時の誓約書取得も、犯罪や違法行為に用いない旨を確認するための一般的な運用として行われています。
ストーカー調査でできることは?
探偵が対応できるストーカー調査は、被害の状況によって複数のパターンに分かれます。
- 加害者の特定調査:顔見知りか不明な「つきまとい」で、加害者の身元・住所・氏名を特定する
- 証拠収集調査:加害者は分かっているが警察へ提示できる証拠がない場合に、待ち伏せ・徘徊の映像を記録する
- GPS・盗聴器などの発見調査:車や自宅に仕掛けられた追跡機器・盗聴器を探す
- ネットストーカー調査:SNS上で複数アカウントから執拗にメッセージを送る加害者の実在人物を追跡・特定する(法令の範囲内で行われる)
これらは素行調査やストーカー対策の技術を応用して行われます。加害者の居場所把握のためのGPS活用は適法な範囲が限られるため、GPS調査の考え方も確認しておきましょう。
ストーカー調査の費用相場はいくら?
一般的なストーカー対策調査の費用相場は 約5万〜50万円 です。加害者の身元が特定できているか、証拠収集に何日かかるかによって大きく変動します。料金体系は主に「時間制」「パック制」「基本料金+実費」の3種類があります。
上記はあくまで一般的な目安です。実際の料金は事務所ごとに異なるため、複数社から見積もりを取り比較してください。各社が公表している目安として、MJリサーチはつきまとい・ストーカー調査の事例を公開しており、加害者特定や証拠映像の取得を数日〜1週間程度で行うケースを紹介しています(金額・期間は事案により異なります/出典:MJリサーチ公表情報)。さくら幸子探偵事務所はネットストーカー対応を含む相談に対応し、基本料金の目安を公表しています(金額は各社公表の目安)。
費用の考え方や成功報酬の仕組みについては、浮気調査の費用と慰謝料請求ガイドや目的別・素行調査の費用も参考になります。
どの探偵事務所を選ぶ?比較のポイント
ストーカー調査は、加害者を刺激せず安全に証拠を集める技術が求められます。料金だけでなく、実績・警察連携・アフターフォローの観点で比較しましょう。