婚前調査の期間はどのくらい?
調査期間は目的と難易度によって幅があります。氏名や勤務先など基礎情報の裏付けが中心なら数日〜1週間で完了することもありますが、休日の過ごし方や異性関係を確認する行動調査を含む場合は、対象者の行動パターンに合わせて2週間〜1ヶ月程度かかることもあります。
焦って短期間で終わらせようとすると、決定的な場面を押さえられず追加調査が必要になり、かえって費用がかさむこともあります。契約時に「どの項目に何日を想定しているか」を確認しておきましょう。
婚前調査は違法?探偵業法との関係
婚前調査そのものは適法な調査ですが、内容や利用目的によっては法規制の対象となる領域があります。探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)第9条は、探偵業者に対し、調査結果が差別的取り扱いなど違法な目的に使用されないことを確認する義務や、そのような目的に用いられると知りながら調査を引き受けてはならないことを定めています。
さらに、出身地(同和地区)の特定を目的とする身元調査については、部落差別解消推進法の趣旨や、東京都・大阪府などの一部自治体が定める身元調査規制条例によって規制・防止が図られています。つまり、探偵業法だけで同和地区特定調査が直接禁止されているわけではなく、複数の法令・条例によって差別につながる調査が抑止されている、というのが正確な整理です。
実務上、正規業者が応じないのは主に以下のような調査です。
- 出身地(同和地区など)を特定し、差別的取り扱いにつながる調査
- 国籍・人種による差別を助長する調査
- 依頼者が違法な目的(差別・犯罪・ストーカー行為等)に使うと知りながら行う調査
警察庁は毎年、探偵業に関する行政処分(指示・営業停止等)の状況を公表しています。処分件数は年により変動するため、最新の件数は警察庁の公表資料で確認するのが確実です。GPS機器の使用など、手法によっては適法性が問題になる場合もあり、GPS調査の利用範囲についても事前に確認しておくと安心です。
探偵業界の市場動向と婚前調査の需要
警察庁の統計によると、全国の探偵業届出業者数は7,098件(令和6年末時点)で、前年の7,027件(令和5年末)から増加し、近年は増加傾向が続いています。届出業者の多くが小規模事業者で、毎年一定数の新規参入と廃業が入れ替わる、競争の激しい業界です。
市場規模については、平成28年経済センサスの実測で約860億円とされ、民間推計では1,200億円規模とも言われます(実測値と民間推計で幅がある点に留意)。なお「業界全体の年間相談件数は約300万件超」といった数値は業界内で語られることがありますが、公的な裏付けは確認できておらず、あくまで未確認の推計値である点に注意が必要です。
マッチングアプリ婚活の一般化に伴い、既婚者・経歴詐称・ロマンス詐欺を防ぐための婚前調査は近年の大きなトレンドとなっています。デジタル領域の広がりについてはAI時代の探偵業界と技術の未来やAI時代のデジタル・SNS調査の実態と限界でも詳しく解説しています。
婚前調査を依頼する流れ
初めて探偵事務所に相談する方に向けて、依頼の一般的な流れを紹介します。