GPS調査をめぐる法律はどう変わった?
無断GPS設置は「重大なプライバシー侵害」と認定
2024年3月の旭川地裁、2025年1月の札幌高裁は、探偵が依頼者の配偶者や浮気相手の車両に無断でGPSを設置し位置情報を取得した行為を「民法上の不法行為(重大なプライバシー侵害)」と認定し、探偵業者に慰謝料の支払いを命じました。ラブホテル敷地内への無断立ち入り撮影も違法とされています。この一連の判決により、「探偵に頼めばGPSも合法」という誤解は明確に否定されました。
ストーカー規制法の対象が拡大
警察庁によると、2021年のストーカー規制法改正以降、「相手の承諾を得ずにGPS機器等を取り付ける行為」や「位置情報を取得する行為」が違法行為として規制対象となっています。さらに令和7年(2025年)12月30日に施行された改正ストーカー規制法により、AirTagなどの紛失防止タグを用いた無承諾の位置情報取得も明確に規制対象に加わりました。GPS機器だけでなく、小型タグの悪用も同様に違法と位置づけられています。
2024年の探偵業法改正で透明性が向上
2024年4月1日施行の探偵業法関連の運用見直しにより、各業者が「標識」を作成し、営業所内だけでなくウェブサイト上でも掲示する取り組みが進んでいます。依頼前に業者の適法性を確認しやすくなっています。
なお、ウェブサイト上での標識掲示については、従業員が一定人数以下(おおむね5人以下)で自社ウェブサイトを保有していない小規模事業者などは掲示義務の除外対象となる運用があります。自社サイトを持たない業者すべてが違法というわけではないため、その場合は営業所での標識掲示や届出番号の確認を行いましょう。
自分でGPSを取り付けると何罪になる?違法リスクの全容
「夫婦共有の車だから問題ない」と考えるのは危険です。名義が共有であっても、実質的に相手が専有して使っている車両に無断でGPSやAirTagを取り付けると違法と判断されうるため、以下の複数の法的リスクを負います。
特に深刻なのは、苦労して集めたGPSデータが離婚裁判で「証拠能力なし」と判断されるリスクです。違法な手段で得た証拠は不貞行為の立証に使えないばかりか、逆に相手から慰謝料を請求され、離婚の交渉で不利になる本末転倒の事態に発展しかねません。感情に任せた自力調査は、リスクとリターンが見合わないケースが多いといえます。